マーケティング4.0をブログ運営に当てはめるとこうなる


マーケティング4.0という概念をご存知だろうか。現代マーケティングの父、フィリップコトラー氏が提唱した新しいマーケティングのパラダイム。この概念に照らして、ブログ運営というビジネスモデルを考えてみようと思う。

いずれにしても、マーケティングの変化が加速していることは間違いありません。ま、時代と共にアッという間に変わるのがマーケティング。ここは冷静に再考する時が来たというシグナルでしょう。その変化を、コトラー氏は次のようにまとめていました。

*マーケティング1.0:製品中心主義(Mind)
*マーケティング2.0:消費者志向(Heart)
*マーケティング3.0:価値主導(Spirit)
*マーケティング4.0:自己実現(Self-Actualization)

こうまでシンプルに規定されると、ドキッとされる方もいらっしゃるかも知れません。いまだに1.0止まりか、さすがに3.0は難しすぎるなどと。

また、コトラー氏は日本が大好きだけれど、日本にはマーケティングの遅れている企業が多過ぎるとも話されていました。いいモノさえ作れば売れる。いまだに、そういう声があちらこちらで聞こえるのが実体ですからね。

コトラー氏の4段階を見ていて感じるのは、やはり英語の方が的確に表しているということ。1.0は理性的なマーケティング。2.0は情緒的なマーケティング。3.0は存在意義的なマーケティング。そして、4.0ではじめて「自己」という言葉が現れる。コトラー氏はこう言います。マーケティングは、いまや企業の一部門に留まるものではなく、社会全体をより良くするために存在するもの。それを実現する新しい方法が、自己実現であると。

出典:日経ビジネス-自己実現を目指す!コトラーのマーケティング4.0は日本企業の追い風-関橋 英作



マーケティングパラダイムの変遷

これまでのマーケティングのパラダイムの変遷に具体例を与えるとすれば、以下のようになる。


良いものを作れば売れるとされてきたマーケティング1.0の時代
例:この携帯電話は、クレジット機能がついてるよ!

消費者が何を望むかにフォーカスしたマーケティング2.0の時代
例:この携帯電話は、クレジット機能がついてるから、財布を持ち歩かないあなたにぴったりだね!

製品を通して社会にどのような影響を与えるかにフォーカスしたマーケティング3.0の時代
例:この携帯電話で、人々のライフスタイルを変化させ、世界をより良くしたい!


マーケティング4.0の成功事例

そして、マーケティング4.0からは、その製品が消費者にとっての自己実現にどう結びつくかが考えられる。「自己実現を伴う消費」。日本では以下のような成功事例があげられる。


マーケティング4.0実践企業例 スノーピーク

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スノーピーク

1958年からはじまる国産のアウトドアブランド。知れば知るほど、時代を先取りしまくっていて驚く。


スノーピークの「人生に野遊びを」というスローガンと、「人間回帰」という哲学に感化された消費者は、「その製品を使ってる自分」そのものが自己実現された形であると認識する。個人の生き方に深く潜り込み、「本来的な自分」に対する回帰欲求と、製品が結びつく素晴らしいモデル。


自己実現とは何か

自己実現といえば、マズローの五段階欲求説で人間の最も高次の欲求であるとされるものだ。ビジネスは経済学ではなく、心理学であると言われる。マーケティングが、マズローの五段階欲求説と関連するのも納得できるのではないだろうか。


五段階欲求説

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・生きていくために最低限必要な行動を満たそうとする生理的欲求(食べたい寝たい)
・身体の危険を避けようとする安全欲求
・孤独や不安から解放されたいとする社会的欲求
・仲間やコミュニティに認められたいという尊厳欲求
・自身が持つ本来的な自我を実現しようとする自己実現欲求


人間は、低次の欲求が満たされてはじめて、より高次の欲求である「自己実現」を目指そうとするという心理学説。


マーケティング4.0をブログ運営に当てはめると

マーケティング4.0において、個人メディアの情報発信者が訴求するべき価値は、その情報を通して、読み手の自己実現に貢献することであると考える。とくにその情報によって、読み手ですら気付いていない潜在的なニーズを掘り起こすことが重要。


自分には夢がないという人は多い。でも、それは本当に夢がないのではなくて、夢なんて叶うはずがないと思い込んでいる自分が無意識的に現実逃避しているだけだ。心理学的にいうと、防衛機制が働いているということである。


個人がメディア化し、そのライフスタイルや価値観を発信していくことが、読み手の潜在的欲求に働きかける可能性がある。これが、ブログがマーケティング4.0の成功事例と成り得る点である。


高知県に移住したプロブロガーの発信を見て、「そういえば、こういう生き方したかったのかな俺」とか、「そういえば、俺の曖昧だった価値観を言語化するとこういうことだった」などと思い始める。そして、情報発信者が自己実現していくプロセスに感化され、自分にもできるという確信を持つ。


叶わないと思い込み、心の奥底にしまわれていた夢が表出する瞬間である。


人間はそもそも、最初から「こういうことがしたい!」と具体的な理想を持っていることは少なく、誰かが夢を追いかける様子に感化されてはじめて自分のやりたいことが明確化するのだ。親孝行のために頑張っているという人をみて、自分も親孝行しなくちゃと思うということ。

これをインターネットという、1 対 n のコミュニケーションの中で、無限にスケールできるのがブログ。

プロセスそのものが価値である

ブロガーがどのような手順を用いて自己実現をしてきたか。そのプロセスがノウハウ化し、プロダクト化する有料noteやブログサロンなどは、まさにマーケティング4.0を体現するビジネスモデルではないか。


ブログの記事は、ブロガー向けの記事ばかりだと批判する人間もいるが、それでいいのである。ブロガーに限らず、ニコ動の歌い手でも、Youtuberでも、個人メディアの本領は「感化させること」にある。個人が自己実現していくプロセスが、他者の忘れていた夢を掘り起こし、「自己実現を伴う消費」に向かわせる。


最も自分自身が影響力を発揮するのは、自分自身が歩んできたプロセス自体にある。


個人メディアに足りないもの

現時点で、個人メディアの発信者が自身の商材の中で訴求している価値は、「お金」と「時間」が手に入るという以上のものが弱いように見える。


お金と時間を得た状態というのは、マズローの五段階欲求説でいうと、尊厳欲求を満たしたに過ぎない。「そんなにお金稼げてすごいねー」「そんなに自由ですごいねー」と言われて嬉しい、で終わりである。


そのお金と時間を使って、どう社会に貢献し、どう生きていくことができるのか。その部分に関する提案がない限り、情報発信者の経てきたプロセスは、他者の自己実現を喚起するものにはなり得ない。


そもそも、「お金を稼ぎたい」「他人に認められたい」だけではモチベーションなんて続かない。利己的な目標の中に利他的な目標が内包されなければ、強固なモチベーションにならないのである。例えば、立派な母親であると周囲から思われたいという利己的な目標は、子供を立派な大人に育てたいという利他的な目標が内包されるからこそ、強固なのだ。


フルコミの営業マンだって、ただ稼ぎたいという利己的な欲求だけでは皆すぐに諦めるが、自分が稼ぐことが業界を活性化させるきっかけになるはずだという利他的な目標がそこに内包された瞬間に成功がぐっと近づく。


お金や時間の豊かさの先にあるものを見せ続けなければ、個人メディアを通して、真の意味で豊かな人間を輩出していくことは叶わない。


りゅうけんが思う、これからの個人メディアの在り方

自身のビジョンを明確化させることが最も重要だ。そこには必ず利他的な目標を内包させること。


何もブログで世界を変えろとまで言わない。しかし、ブログを通して、誰にどのような影響を与え、どのようなコミュニティを作っていきたいかくらいは、くどいくらいに発信してもいいと思う。


僕にとって情報発信とは、「自分が出会いたい人に自分を見つけてもらう行為」だ。


IT技術者としても、情報起業家としても、誰にも縛られない、フリーランスという生き方をもっと多くの人がしてもいいと思っている。だけど、ちょっとした勇気がなく、背中を押してくれる人もいなかったために、本意ではない、平凡な人生を歩まざるを得なかった人も多い。特に、日本社会は変化を好まない。変化しようと思うものなら、変化させまいとしてくる人間もいる。


僭越ながら、そんな人たちと出会い、彼らの道標になれたらいいと思っている。


だからこそ、インターネットで「自分はこういう人間だ!」と大声で叫ぶ。近い価値観を持っていて、だけどどこか違っていて、新しい気づきをくれる。そんな人が集まって、切磋琢磨できるコミュニティを作りたい。最終的には、彼らが同じように各々のコミュニティを生みだせるようになれば最高だ。


自己実現の在り方は人それぞれだが、僕の在り方はこうだ。あなたにとっての自己実現とは?


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