クラウドファンディングにおける「信頼残高を失う」という嘘


「他人にお金を支払わせると信頼残高を失う」のではないかという議論は前々からありますよね。


だけど果たして本当に、「お金を支払わせること」と、「信頼の蓄積」はトレードオフなんでしょうか。


よく、クラウドファンディングで資金を調達しようとする人間に対し、否定的な意見が見られます。


「クラウドファンディングは信頼をお金に変える行為。お前らは信頼を消費していることに気づいてない!」


みたいな。いやいやちょっと待てよと。


「振り込めない詐欺」の存在

ひと昔前のニコニコでは、圧倒的なクオリティの動画に対して、「振り込めない詐欺」という動画タグがよく付けられてました。


発祥は、2008年頃のMikuMikuDance関連の動画からでした。そこでは、「こんなに素晴らしいものが無料でいいわけがない」といった内容のコメントが相次いで投稿され、投稿主に振込先の公開を要求したのです。


この時、動画の投稿主が金銭の受け取りを拒否したため、多くのユーザーは振り込みたくても振り込めない、行き場のない感情を「振り込めない詐欺」というタグに込めたわけです。


つまり、素晴らしいコンテンツを無償で提供してくれた投稿主に対する、ニコニコユーザーからの畏敬の念が込められたタグということです。


そして、このタグの存在は、「基本無料」が原則となっていたインターネット上のコンテンツに対し、「お金を支払うことで満足感を得る」層が存在することを示していました。


お金を支払うことで信頼が蓄積されるケース

僕はそれまで、「金銭を得る」ということは、「何かを犠牲にすること」であると思ってたんですよ。


何かの対価としてお金を得るわけで、売り手と買い手はWin-Winになるはずですが、何かを誰かに販売しようとする時点で、売り手は自分のエゴを通す必要があって、それが相手に受け入れられない場合、信頼を失ってしまうのがビジネスなんだと。


ところが、「お金を振り込ませてくれ。」と主張する消費者の存在は、むしろ買い手がエゴを主張しているケースであり、当時の僕のビジネス観とは真逆をいくものでした。「お金を支払ってもらう」ではなく、「お金を支払わせてあげる」がビジネスとして成立することの証明だったから。


みんな「人間関係をお金に変えると信頼を失う」とかいう古典的なフレーズ好きじゃないですか。


だけど僕は、このニコニコに「振り込めない詐欺」というタグが登場した2008年頃を境に、売り手は買い手にお金を支払ってもらうことで、むしろ信頼を蓄積できるようになったんじゃないかと思うんですよね。一種のパラダイムシフトであると。

クラファンはまさにお金を支払わせることで信頼関係を構築する行為

クラウドファンディングは「Web乞食だ」などと揶揄され、批判的な意見も多いのですが、僕は非常に素晴らしい仕組みだと思ってます。


それは、売り手と買い手、発信者と受信者をマッチングさせる機構であるから。


インターネット上で発信力を手にした人には少なからず、「応援したくてたまらない人」がくっついてるんですが、「応援したくてたまらない人」は意外と「応援の仕方」がよくわかってないんですよ。


「好きだけどSNSで絡むのは恐れ多い」とか思ってたりしますからね。彼らはこれまで存在すら認知されることがなかったのですが、実はクラウドファンディングによって可視化されるようになったんですよね。


お金を支払うという応援方法って最もシンプルでわかりやすいんですよ。そのわかりやすいやり方で、彼らがクラウドファンディングを通して発信者のパトロンになることで、彼らは発信者との接点が得られるようになったわけです。


また、発信者は発信者で、これまで存在を確認できなかった彼らに感謝を表現することができるし、自分の本来の影響力もお金というわかりやすい尺度で測定することができます。めっちゃええやん。


「信頼してたのにお金とろうするなんて!失望した!」なんていうお客様気分なゴミ顧客からの信頼なんて最初からあってないようなものじゃないですか。なので、本来的にクラファンは、「信頼残高を削ってお金に変える行為」ではないと思うんですよね。


さいごに:クラファンで評価を落とす人の特徴

ところが、他者からの評価が失墜するケースもあって、それは発信力のない人がクラウドファンディングに挑戦する場合です。


インターネットにおける発信力のない人のクラファンは、どうしても売り手が買い手に対してエゴを通さざるを得ない形になるんですよ。つまり、2008年以前の旧式のビジネスに成り下がるということ。


彼らのプロジェクトでは一般的に以下のようなスキームで展開することが推奨されます。


1. 親や知人など、現時点の自分が持っているネットワークから資金を集めて初速を確保
2. 初速の実績をもとに、クラファン事業者のプラットフォームで盛り上がってる感を演出
3. 野次馬投資家からの寄付で加速させる



そう、結局、いかに親や知人に頭下げるかで成否が決まるんですよ。それって、「クラファン」じゃなくね?というのはさておき、信頼を失うのは、発信力のないプロフェクトオーナーの場合、特定の個人に「寄付してくれない?」とアプローチせざるを得ないからなんですよね。


もちろん関係の深い仲であれば快くお金を出してくれると思いますよ。だけど、中途半端な関係性しか築けていない間柄だと一気に引かれる可能性もあります。そして、多くの場合、彼らに対してもアプローチせざるを得ない。


うちの嫁の母親も旧友から突然クラファンのパトロンになってくれと言われてましたが、断ってますしね。


これが、既に発信力を身につけていて、「応援したくてたまらない人」が一定数寄り添っているプロジェクトオーナーの場合、特定の個人にアプローチする必要がなくなるため、信頼を失わないんですよ。「応援したけりゃ応援すれば?」と不特定多数に対して強気に出られる状況にあることが信頼を維持するためには重要ということ。


特定の個人にアプローチすることと、不特定多数にアプローチすることは本質的に全く違っていて、発信者の立場が真逆になるんです。


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