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SIerへの就職・転職を考えているときに、「やめとけ」「やばい」といった情報を見かけて、不安になった方も多いのではないでしょうか。
たしかにSIerには、長時間労働になりやすい現場や、配属によって開発経験を積みにくい場合があります。
ただ、ここで「SIerは全部ダメなんだ」と判断してしまうのは少し早いです。実際には、企業の立ち位置や担当工程によって、働き方や身につく経験はかなり変わります。
SIerが自分に合うのか、避けるべき企業はどこなのかを整理したい方は、ぜひ参考にしてください。
やまもとりゅうけん(@ryukke)
WEB/ITコンサルのワンダフルワイフ株式会社代表取締役。 新卒で東証一部上場企業にプログラマーとして就職したのち、27歳でフリーランスエンジニアとして独立し、サイバーエージェント大阪支店等に勤務。 現在は日本最大規模の複業コミュニティ「人生逃げ切りサロン」を開設し、3年間で参加者5000名超まで拡大させる。
目次
SIerが「やめとけ」「やばい」と言われる5つの理由

SIerが「やめとけ」「やばい」と言われる理由は、業界構造と働き方の特徴によって、負担やミスマッチが起こりやすいからです。
とくに不満や後悔につながりやすい点は、次の5つです。
SIerへの不安は1つの問題だけで生まれるわけではありません。
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1.納期やトラブル対応で長時間労働になりやすい
SIerは納期を守る責任が重いため、仕様変更や障害対応が重なると長時間労働になりやすいです。
受託開発では、納期を簡単に動かせない案件が多く、遅れやトラブルのしわ寄せが現場に集まりやすくなります。
とくにテストやリリース前は負荷が集中しやすく、残業や休日対応が増えるケースもあります。
- 上流工程の遅れを下流工程で吸収しやすい
- 障害対応が急に発生しやすい
- リリース前に作業が集中しやすい
こうした構造がある以上、SIerで労働時間の問題が出やすいのは不思議ではありません。
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2.下請け構造では年収や待遇が不利になりやすい
下請け構造のSIerは中間マージンの影響を受けやすいため、年収や待遇が不利になりやすいです。
大きな案件は元請け企業が受注し、その後に2次請け、3次請けへと仕事が流れることが多いからです。
下層の企業ほど使える予算が限られやすく、担当工程や裁量にも差が出やすくなります。
| 比較項目 | 元請けに近い企業 | 下請け企業 |
|---|---|---|
| 顧客との距離 | 近い | 遠い |
| 担当しやすい工程 | 上流工程 | 下流工程 |
| 裁量 | 比較的大きい | 限られやすい |
| 待遇 | 上がりやすい | 伸びにくい |
SIerの待遇は、業界名だけでは判断できません。
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3.客先常駐で働き方や帰属意識に悩みやすい
客先常駐が多いSIerは勤務先や関わる相手が変わりやすいため、働き方や帰属意識に悩みやすいです。所属は自社でも、日々の業務は客先で進むので、評価基準や現場ルールに合わせる負担が大きくなるからです。
さらに、常駐先ごとに雰囲気や求められる役割が違うため、落ち着いて働きにくいと感じる人もいます。
- 勤務場所や環境が変わりやすい
- 現場ごとに人間関係を作り直しやすい
- 自社への帰属意識を持ちにくい
新しい環境に適応するのが得意な人には経験の幅が広がる面もあります。
ただ、安定した働き方を重視する人には、大きな負担になりやすいです。
4.会社や配属によっては開発経験を積みにくい
会社や配属によっては実装より管理や調整の仕事が増えるため、SIerでは開発経験を積みにくいです。
IT業界に入れば自然にプログラミング力が伸びると思われがちですが、実際の業務はかなり幅広いからです。
- 要件整理
- 資料作成
- 進捗管理
- テスト
- 運用保守
正直、SIerの仕事内容を詳しく解説すると文章が多くなってしまうので、詳細が気になる方は「【IT転職】SIerとは?種類や仕事内容について元SIerの僕が徹底解説!」をご覧ください。
要件整理、資料作成、進捗管理、テストなどが中心になれば、コードを書く時間は限られます。
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入社後にどの工程を担当しやすいのかまで確認しておかないと、後悔しやすくなります。
5.調整業務が多く技術職のイメージとズレやすい
SIerは会社によって働き方やキャリアの広がり方が違う

SIerは会社の立ち位置と担当工程が違うため、同じ業界でも働き方やキャリアの広がり方が変わります。
一括りに「SIerはやめとけ」と判断しにくい理由は、主に次の2つです。
SIerをやめておくべきか決めるときは、業界名だけでなく、どの立場の会社でどの工程を担うのかまで見たほうがよいでしょう。
1.元請けに近い企業と下請け企業では働き方が違う
元請けに近いSIerは顧客と直接関わりやすいため、下請け企業よりも裁量や役割の幅が広くなりやすいです。
元請け側は要件整理や進行管理、顧客折衝などを担いやすく、案件全体を見る立場になりやすいからです。一方で、下請け側は任された範囲の開発やテスト、運用を担当しやすく、業務の自由度が限られやすくなります。
| 比較項目 | 元請けに近い企業 | 下請け企業 |
|---|---|---|
| 顧客との距離 | 近い | 遠い |
| 担当しやすい業務 | 要件整理・進行管理 | 開発・テスト・運用 |
| 裁量 | 比較的大きい | 限られやすい |
| 仕事の進め方 | 主導しやすい | 受け身になりやすい |
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「SIerだから」でまとめるのではなく、どのポジションの会社かを見ることが大切です。
2.担当工程によって身につく経験や将来の選択肢が変わる
担当工程が違うSIerは伸ばしやすいスキルが変わるため、将来の選択肢にも差が出やすいです。
要件定義や設計を担当する人と、実装やテストを担当する人では、日々積み上がる経験の種類が違うからです。
上流工程では調整力や業務理解が強みになりやすく、下流工程では実装力や運用経験が強みになりやすくなります。
- 上流工程:要件整理、顧客折衝、設計、進行管理
- 下流工程:開発、テスト、運用保守、監視
- 身につきやすい力:上流は調整力、下流は実務経験
開発力を優先したい人と、上流やマネジメントを目指したい人では、合う工程が同じとは限りません。
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SIerに向いている人・向いてない人

SIerに向いている人・向いていない人は、仕事内容への期待と実際の業務が合うかどうかで分かれます。
正直、僕はSIerという働き方はそこまで悪くないと思っています。というのも、向いているかどうかはその人の考え方や状況によって変わるからです。
SIerが自分に合うか迷うなら、評判だけで判断せず、どんな働き方をしたいかから考えたほうがよいでしょう。
SIerに向いている人
SIerに向いている人は、開発だけでなく調整や上流工程にも価値を感じられる人です。SIerはクライアントへのヒアリング、チーム内の連携、進捗管理など、人と関わりながら進める仕事が多いからです。
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- 人と関わりながら仕事を進めるのが苦ではない
- 業務知識や上流工程にも興味がある
- 大規模案件で経験を積みたい
- 将来的にマネジメントや顧客折衝も視野に入れている
SIerは、技術とビジネスの間に立つ場面が多い仕事です。その役割にやりがいを感じられる人なら、強みを活かしやすいでしょう。
SIerに向いてない人
SIerに向いていない人は、実装中心の働き方や新サービス開発を強く求める人です。配属先によってはプログラミング業務が少なく、管理や資料作成が中心になることもあり、新サービスより既存システムの運用や保守が主になる企業も多いからです。
また、人との折衝や客先常駐が苦手な人も、入社後に負担を感じやすくなります。
- 毎日コードを書いて開発力を伸ばしたい
- 人との調整や顧客対応が強いストレスになる
- 新サービスや自社プロダクトの開発に関わりたい
- 安定した勤務環境を重視している
SIerを選ぶ前に、自分が理想とする働き方と実際の業務内容が一致しているかを確認しておくことが大切です。
SIerで働くメリット

SIerで働くメリットは、大きな案件に関われて、技術以外の強みも積み上げやすいことです。SIerは否定的に語られやすい一方で、見方を変えると得られるものが大きい仕事でもあります。
「やめとけ」「やばい」などのネガティブな意見だけで判断せず、得られる経験まで含めて見たほうが、SIerの実態をつかみやすいです。
大規模案件に関われる
SIerで働くメリットは、個人では触れにくい大規模案件に関われることです。大企業や官公庁の案件に入る機会があり、社会的な影響が大きいシステムに携わりやすいからです。
関係者が多い案件ほど、単なる実装だけでなく、全体を見ながら進める視点も求められます。
- 大企業向けの基幹システム
- 官公庁や公共性の高いシステム
- 多くの関係者が関わる長期案件
規模の大きい仕事は難しさもありますが、その分だけ経験の価値も高くなりやすいです。
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業務知識や調整力が身につく
SIerで働くメリットは、IT知識だけでなく、業務知識や対人調整の力も身につくことです。SIerはシステムを作るだけでなく、顧客の業務を理解し、関係者の意見を整理しながら進める仕事だからです。
そのため、技術職でありながら、ビジネス寄りの視点やマネジメントの土台も育ちやすくなります。
| 身につきやすい力 | 内容 |
|---|---|
| 業務理解 | 顧客の仕事や課題を把握する力 |
| 調整力 | 関係者の意見を整理して進める力 |
| 進行管理力 | 納期や優先順位を考えて動く力 |
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将来の選択肢を広げたい人にとっては、こうした経験が武器になりやすいでしょう。
企業次第では安定したキャリアを築きやすい
SIerで働くメリットは、企業選びがうまくいけば、安定したキャリアを築きやすいことです。元請けに近い企業や教育体制が整った企業では、案件の幅や担当工程に恵まれやすく、経験を着実に積み上げやすいからです。
待遇や働き方には会社差があるものの、条件がよい企業に入れれば、長く働きながら強みを伸ばしやすくなります。
- 研修やOJTが整っている
- 上流から下流まで幅広い工程に関われる
- 大手顧客の案件に継続して関われる
SIerはどこに入っても同じという業界ではありません。
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具体的に高収入なのは、クライアントから仕事を受注して、プロジェクト全体の方向性を決める元請け企業です。
もちろん、このような年収の高い企業に誰もが転職できるわけではありません。
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やばいSIerを避けるための見分け方

やばいSIerを避けるための見分け方は、会社の立ち位置、働き方、担当工程、育成環境の4点から危険サインを見抜くことです。
SIerは企業ごとの差が大きいため、業界名や知名度だけで判断すると入社後のギャップが起こりやすくなります。
求人票の雰囲気だけで決めず、何を見れば危ない会社を外せるのかを先に整理しておきましょう。
企業の立ち位置を確認する
企業の立ち位置は、裁量・待遇・関われる工程を左右するため、やばいSIerを見分ける最初の判断基準です。
元請けに近い会社ほど顧客との距離が近く、上流工程や案件全体の調整に関わりやすくなります。
反対に、下請け比率が高い会社ほど任された範囲の実務に寄りやすく、条件面でも不利になりやすいです。
| 確認ポイント | 警戒したい見方 |
|---|---|
| 何次請けが中心か | 下層案件ばかりで裁量が小さい |
| 直接取引の有無 | 顧客と遠く、上流に入りにくい |
| 元請け案件の比率 | 低いと仕事の幅が狭まりやすい |
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どの立場で案件を受けている会社かまで見ると、外れをかなり避けやすくなります。
働き方の実態を確認する
働き方の実態は、入社後のしんどさに直結するため、やばいSIerを避けるうえで必ず確認すべき判断材料です。
客先常駐が多すぎる会社や、残業が常態化している会社は、仕事内容が合っていても長く続けにくくなります。
とくに勤務先の変動が大きい会社は、生活の安定や人間関係の負担が増えやすいです。
- 客先常駐の割合は高すぎないか
- 残業時間は恒常的に長くないか
- 勤務地や配属先の変動は大きくないか
- 離職率が極端に高くないか
制度の説明だけでは、現場のしんどさは見えません。
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担当工程と案件内容を確認する
担当工程と案件内容は、入社後に積める経験を決めるため、やばいSIerを避けるうえで最優先で確認したい要素です。
要件定義や設計が多い会社と、テストや運用保守が多い会社では、伸ばしやすいスキルが大きく変わります。開発力を伸ばしたい人が実装の少ない会社へ入ると、入社後のギャップが一気に大きくなります。
| 確認ポイント | 警戒したい見方 |
|---|---|
| 担当しやすい工程 | 望む経験とズレている |
| 案件の業界や規模 | 希望と合わず学べる内容が偏る |
| 開発・保守・運用の比率 | 実装機会が極端に少ない |
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自分が伸ばしたい力と任されやすい仕事が合うかまで見て判断する必要があります。
教育体制とキャリアの広がりを確認する
SIerはやめとけに関するよくある質問

SIerは「やめとけ」という意見に関してよくある質問に回答していきます。
新卒でSIerはやめとけと言われるのはなぜですか?
新卒は業務理解が浅い状態で入社するため、配属先次第で仕事内容が想定と大きくずれる「配属ガチャ」の影響を受けやすいことが主な理由です。
開発を期待して入社しても、テストや運用保守、資料作成が中心になる場合も珍しくありません。さらに客先常駐や納期プレッシャーによる残業が重なると、理想とのギャップから早期離職にもつながりやすくなります。
新卒で入る場合も、配属先で担当しやすい工程まで事前に確認しておくことが大切です。
大手SIerでもやめとけと言われることはありますか?
大手SIerでも、組織が大きい分だけ役割分担が細かく、希望する業務を担当できるとは限らないために「やめとけ」と言われることがあります。
案件規模の大きさや安定感は魅力ですが、マネジメントや調整業務が中心になりやすい傾向があります。部署によっては客先常駐や長時間労働が続くケースもあるため、大手だから安心とは言い切れません。
企業名だけで判断せず、配属先の業務内容や働き方の実態まで確認しましょう。
大手SIerの離職率は?
大手SIerの離職率は公式データで全社員ベースおおむね3〜5%前後と、雇用動向調査結果における日本全体の平均(約14%)に比べて低い水準です。
まとめ:SIerは「やめとけ」ではなく、会社選びと適性次第
今回の記事では、SIerが「やめとけ」や「やばい」と言われる原因について紹介してきました。
- 納期やトラブル対応で長時間労働になりやすい
- 下請け構造では年収や待遇が不利になりやすい
- 客先常駐で働き方や帰属意識に悩みやすい
- 会社や配属によっては開発経験を積みにくい
- 調整業務が多く、技術職のイメージとズレやすい
ただ、SIerは「やめとけ」と一括りにできる仕事ではありません。会社選びと適性次第で、きつい仕事にも価値のある仕事にもなり得るからです。
僕としてはSIerという選択肢は普通にありだと考えています。転職先さえ間違えなければ、価値ある人材に近づけるわけなんで。
とはいえ「どうすれば自分に合った企業を見つけられるんだよ!」と悩む方が多いのも事実。もしあなたも自身のキャリアを見つめ直して、理想の企業へ転職したいと考えているなら、テックステージを活用してみてください。
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