原価スーパー?いつまで「合法的な」詐欺に引っかかってるの。


ぶっちゃけ、詐欺にあわないように情報を遮断して生きていくより、一回くらい騙されてみて社会を学べばいいと思ってます。詐欺師も騙すならもっとお金持ってる人のところに行くので、普通のサラリーマンが被害にあったとしてもせいぜい数十万円程度です。それで失敗から正しい判断基準を身につけることができるようになるなら儲けもんです。




しかし中には、失敗から何も学ばず、似たようなものに何度も騙される人もいるので、いったん詐欺とはどういうものか考察してみようと思います。参考になればと。




さて、詐欺には、違法な詐欺合法な詐欺の2種類存在します。違法な詐欺で言うと、例えば、オンラインカジノのサービスを日本で売る、みたいな、賭博法と金商法にもろに引っ掛かるビジネスが流行ってたりします。こういう法的にダメなものにひっかかるのは普通にアホです。仮に現状、グレーだとしても、いつクロになって消えるかわからないようなものに時間とお金をかけるのはアホです。アホって2回言いました。




しかし、厄介なのは合法な詐欺です。合法なので処罰できないし、一見ちゃんとしてそうだからです。



合法的詐欺会社を分析してみた

以前、「ビジョン系」と言われるジャンルの某ネットワークビジネスを分析してくれと頼まれたことがあります。これは典型的な合法的詐欺を実践している会社でした。仮にS社と呼びましょう。




ビジョン系のネットワークビジネスとは、「取り扱ってる商品またはサービスが〜年後には売れるはずだから、いまのうち口コミで組織を作っておけば、もし数年後に商品が売れるようになったら大儲けだよ!」という根も葉もないビジネスのことです。信じられないことですが、このような博打に大量のお金や時間を投資する人もいます。投資というか投機、いや、それ以下です。




ネットワークビジネス自体に違法性は無いし、S社のビジネスに「稼げる可能性が存在する」ということにも間違いはないのですが、まあ微粒子レベルなわけです。




S社のビジネスの中身はこんな感じでした。




普通のスーパーやドラッグストアで売られているのと全く同じブランドの生活日用品をディスカウントで買える通販サイトのを口コミするというもの。個人は企業と代理店契約を結び、口コミで組織を構築し、その組織の内容に応じて報酬が発生する。



まず個人代理店が負担する金額は、管理費とランニングコストで月6000円程度。代理店数の上限は、最大で1万人なので、会社の固定収入は最大月6000万円にのぼります。年間で7億2000万。



代理店契約数が1万人までと制限されてるところがキモです。「今のうちS社のビジネスに参入しておけば稼げるよ!」と言いながら先行者利益を餌にビジネスを展開していきます。この種類のネットワークビジネスは基本的に、組織が多段奥までのびません。人数制限がある以上、後からはじめた方が損なので、後から入る人ほどモチベーションがなくなるからです。結果、会社の直紹介で代理店になる人が割合的に多くなります。




こうではなく、
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こうなります。
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するとどうなるかというと、組織の小さい代理店ばかりになるため、会社が代理店に支払うボーナスが少なくなり、売上に対して会社の取り分が増えます。これは会社にとってはメリットがありますが、代理店には殆どありません。



また、参入する際に、代理店契約の種類によって初期投資が必要になるので、これも大きな会社の売上になります。最高位のなんとかゴールドだと、なんと100万円以上です。



そもそも、S社のビジネスモデルのように、普通の製品を安く買える、「原価スーパー」という概念は10年以上前からあって、似たようなネットワークビジネスは過去にもありましたが、資本の論理で、大手資本が参入して流行る前に潰されるというパターンか、もしくは、そもそもネームバリューがなさすぎて流行らない、というパターンのどちらかです。



そして、低価格戦略はビジネスとして非常にリスキーです。低価格戦略をとる吉野家や松屋がなぜこれだけジリ貧なのかというと、とことん価格を下げるしか競争力が生み出せない→薄利多売になる→従業員の負荷が上がる→サービスの質が悪くなる→業界全体共倒れという構造になってしまっているからです。



デフレが進んでいる業界では、参入企業が増えれば増えるほど、構造的に儲からないビジネスになりがちです。なので、どちらかというと、マクドナルドより、モスバーガーとか、フレッシュネスバーガーみたいに、少し高価格帯でもオシャレさとか、純粋な美味しさとか、顧客体験の部分で付加価値をつけていく方がロイヤリティが増し、消費者が他社に浮気しにくくなるので、生き残るビジネスになっていきます。



ネットワークビジネスの場合、他社が追随できないようなプロダクトやサービスの質を担保価値とした上で、先行者利益などなく、どれだけ後からはじめても平等に勝てる仕組みを伴っていないと、継続発展していきません。どこにでも売ってるような製品を扱って、先にはじめたもん勝ちなS社のビジネスが大きなビジネスになっていくわけがないのです。



そして、そんなことはおそらくS社のオーナーはわかってるんですね笑



ですが、先行者利益を掲げて会員数を増やして、固定収入と初期投資のワンタイムキャッシュで荒稼ぎすれば旨味の部分だけ吸い上げて撤退できます。なんせ固定費や人件費も大してかからないので。ビジネスモデルの時点で、儲かるのは、代理店ではなく、会社となっています。これが合法的な詐欺です。


なぜ騙されたのかを知る

冒頭でも述べたとおり、一回くらいはこういうものに騙されてみるのも悪くないとは思うんですが、何度も騙されるのはさすがにアレなので、一度騙されたら、なぜそのビジネスは稼げなかったのか、自分以外にもし原因があるとしたらそれを徹底的に分析すべきです。僕は常に物事の仕組みがどうなってるのか、常に分析するくせをつけています。


成功するかしないかわからないものに賭けるのはビジネスではなくギャンブルです。努力すれば100%成功できるビジネスもちゃんと存在しています。ホンモノをチョイスできるよう、失敗する度、自身の判断基準を養っていくことが大事です。


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