「モチベーション管理ができない」→それ、あなたじゃなくて企業の問題な件

先日、大学のゼミの後輩から、「働く上で、モチベーションが保てなくて困ってます。」という相談を受けたのですが、モチベーションが保てないのは、個人のせいではなくて、企業のせいなんですよね。なので、「君は悪くない。モチベーション湧かないなら、さっさと転職するなり独立するなりしよう。」という感じの話で落ち着きました。

よく、「優秀な人ほどすぐに会社を辞める」という話がありますが、実はそれは、「優秀な人ほど企業が抱える、あるジレンマに気づく」からです。今日は、そのジレンマについて紐解いていこうと思います。

ゴールピープルとリバーピープル

リンクアンドモチベーション創業者の小笠さんが、社会には大きく分けて「ゴールピープル」と「リバーピープル」という二種類の人間が存在するということを唱えられました。

「ゴールピープル」とは、明確な目標を設定し、それに向かって今やるべきことは何かという逆算思考で、一貫性を持って行動を決めていく人。一方、「リバーピープル」は、明確な目標を設定せず、今直面している課題を一つ一つ処理していくことに主軸を置き、アットランダムに行動を決めていく人、と定義されます。

どちらが正解という話ではなく、どちらの生き方でも個人が幸せでいることは可能ですが、世間一般的に、「優秀な人間」と評価されやすいのは「ゴールピープル」の方です。なぜなら、逆算思考を持てる人間はTODOが明確になるため目標達成率が高いからです。

ゴールピープルが評価される社会

例えば、「ゴールピープル」のブロガーなら、まずは、1年後に月間10万PVを達成すると目標設定するでしょう。彼らはそこから今月達成しなければならないPV数や記事数を逆算し、日々の行動に落とし込むため、スケジュールに「ブログを書く時間」を確保しておくことができます。

ところが、「リバーピープル」のブロガーの場合、目標を定めないため、月にどれくらいの記事数を書けば良いかという行動基準がありません。そのため、スケジュールには「ブログを書く時間」などは存在せず、友達と飲む予定や、恋人とのデートの予定が続けば、次第にブログのことを忘れていきます。どちらがブログで成功するかと聞かれれば、いわずもがな前者です。

特に、ビジネスの世界においては、常に何らかの目標に向かって最短で行動していくことを求められるため、企業は「ゴールピープル」を求めようとするわけですね。

しかし、実際の企業の現場ではリバーピープルの方が対応しやすい

そうやって、就職活動を突破した、優秀な「ゴールピープル」達は企業の現場で活躍していくわけですが、そこで彼らは大きな問題に直面します。

一般的にサラリーマンは、どこに住まわされるかも、どんな仕事するのかも、どんな人と関わるのかも自分の意思で決めることはできません。突然、辞令を出されて田舎に転勤、かと思えば、その1年後には東京本社に呼び戻される、みたいなことって大企業になればなるほどよくあることです。しかし、そんな状況では、「ゴールピープル」が望む、「一貫性のある努力」がしにくくなります。

IT企業を立ち上げようと思って、勉強のためにWeb制作会社に就職したのに、なぜか総務をやらされたらどうでしょう。確かに、起業するなら総務の仕事も学んでおくに越したことはないけど、目標の達成のための近道ではないので、自分の中でやるべきことが決まっている「ゴールピープル」にとってはストレスフルです。

そういう環境は、行き当たりばったりにその瞬間瞬間を楽しめて、「無駄」が苦にならない「リバーピープル」のようなパーソナリティじゃないとキツイんですよね。彼らは、目標を特に持たない分、今直面している課題を一生懸命こなすことに、人生の醍醐味を感じることができるので。

ともかく問題は、企業が「ゴールピープル」を求めているくせに、「リバーピープル」にばかり優しい環境をつくってしまうことです。

モチベーションが保てないのはあなたのせいじゃない

企業は、「一貫性のある努力」ができる人材を求めながら、彼らを「刹那的な努力」しかできない構造に閉じ込めてしまうという矛盾を孕んでいます。優秀な個人がモチベーションを保てないのは、個人の責任ではありません。そういったジレンマを抱える企業の責任です。

で、優秀な人はやはり、すぐにこのジレンマと、モチベーションを保てないのは自分の責任ではないことに気がつくので、入社して数年と経たないうちに会社を辞めるんですよね。人生は有限なので、やりたくないことをやらされてる暇なんてありません。明確な目標を持つ「ゴールピープル」であれば、なおさらそう思うでしょう。

環境を変えること

「どうすればモチベーションをキープできるのでしょうか?」という質問に対して、僕の答えは明確で、「環境を変えること」です。モチベーションが保てないなら、モチベーションが保てる環境に移行すれば良いだけの話です。

そもそも、モチベーションはマネジメントするようなものではありません。好きなことをやっていれば、いくらでもやる気は湧いてきます。モチベーションを管理するなんてバカみたいなことを考えなければならないのは、好きでもないことを無理やりやらされているからに他なりません。

「やりたくないことも勉強のためにすすんでやるべき」だと古い人は言うかもしれませんが、自分が嫌いなこと、苦手なことは習熟効率が極端に悪いので、そんなところにリソースを割くのはもったいないです。自分が不得手なことは、それが得意な人に任せるのが基本です。

だって、女性用下着メーカーのワコールの社長って男性ですよ。社長みずから、女性用の下着を試着して「うん、良い履き心地だ、売れる!」とかやってるわけないじゃないですか。そんなのは優秀な女性マーケッターに任せればいいんですよ。

今の時代、インターネットがあるので、自分のスキル不足を補う人と出会うことはいくらでも可能です。であれば、自分は自分が好きなことを突き詰めて、その点において、早く無双できるようになった方が、自分のやりたいことを実現するには近道なのです。

最後に:あなたは「ゴールピープル」?それとも、「リバーピープル」?

僕が「ゴールピープル」と「リバーピープル」について話し出すと、「ゴールピープル」礼賛にバイアスがかかりがちなのですが、実際僕はどちらかというと「リバーピープル」です。

行き当たりばったりを楽しめるのも才能ですからね。「ゴールピープル」でなければ成功できないということはないので、自分のスタイルを見極めて人生を楽しんでみてください。

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