【2024年最新】SIer平均年収ランキング!企業選びのポイントも解説

本記事ではSIerの平均年収をランキング形式で紹介し、自分に合ったSIerの選び方を解説します。

他業界と比較して、SIerは平均年収が高い傾向にあります高収入を目指して、SIerへの転職を考えている方も多いのではないでしょうか。

苦労してSIerに転職したのに年収が上がらなかったら嫌ですよね。

この記事では特に平均年収の高いSIerや上位企業の特徴、選び方のコツを解説していきます。

本記事でわかること
  • SIerの平均年収ランキング
  • ランキング上位の特徴
  • SIerを選ぶときのポイント

SIerに転職して年収を上げたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

【著者プロフィール】
やまもとりゅうけん(@ryukke)
WEB/ITコンサルのワンダフルワイフ株式会社代表取締役。 新卒で東証一部上場企業にプログラマーとして就職したのち、27歳でフリーランスエンジニアとして独立し、サイバーエージェント大阪支店等に勤務。 現在は日本最大規模の複業コミュニティ「人生逃げ切りサロン」を開設し、3年間で参加者5000名超まで拡大させる。
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SIerはシステム構築に携わる企業

SIer(エスアイヤー)とは、SI事業を行う企業のことです。正式には「System Integrator」と言います。ユーザーの業務を分析し、システム開発や運用を通じて課題解決のサポートを行います

システムの設計開発から保守運用、時にはコンサルティングも行います。

デジタル化が進む現代では、IT分野を専門としない企業も専用の情報システムを保有しています。

しかし、自社でSEを抱えていなければシステムの改修や保守ができません。SIerは、こうしたクライアントの要望に合わせて最適なシステム開発や改修を行う企業です。

DX化需要の高まりに伴い、SIerの知見が求められる場面はこれから増えると見込まれます。大規模なシステム移行には、開発から運用までサポートできるSIerが必要になるからです。

経済産業省のDXレポートによると、日本企業がDXを推進しなければ最大で年間12兆円の経済損失が生じると予測されています。少子高齢化による働き手の減少が見込まれるなか、生産性や国際競争力を維持するためにもDX化が必要です。

DXの推進に伴い、SIerの価値はさらに高まっていくでしょう。

SIerの4つの種類

SIerには4つの分類があり、それぞれ特徴があります。

  1. ユーザー系
  2. メーカー系
  3. 独立系
  4. 外資系

順番に見ていきましょう。

1. ユーザー系

ユーザー系は金融や鉄道など、大規模なシステムを持っている企業のシステム部門が独立したSIerです。

代表例として、野村総合研究所やNTTデータなどが挙げられます。

ユーザー系SIerの案件の受注方法は2つあります。親会社から受注する「内販」と、外部企業から受注する「外販」です。

最初は内販の割合が多くなりますが、成長したユーザー系SIerは利益拡大のために外販を積極的に受注します。ユーザー系SIerは成長するにつれて、さまざまな業界の案件にかかわるチャンスに恵まれるようになります。

マネジメント業務に携わる機会が多くなるため、開発の上流工程に携わりたい方におすすめです。

2. メーカー系

メーカー系は、PCなどのハードウェアを製造している企業を親会社とするSIerです。

富士通・日立製作所などの電機大手企業が代表的です。

経営基盤が安定しており、親会社から継続して案件を受注できるのが特徴です。親会社の業績が良ければ好待遇が期待でき、技術研修や資格取得などのサポートが充実している企業も多いです。

メーカー系SIerでは親会社のハードウェアに関連したパッケージ開発を手掛けていることが多く、開発工程を上流から下流まで幅広く経験できます。ただし、客先常駐の案件が多く、開発プロジェクトごとに職場環境が変わる点に注意が必要です

3. 独立系

独立系は、特定の親会社を持たないSIerです。

国内の多くのSIerが該当します。代表例は大塚商会ですね。

大手SIerの下請けとして案件を受注する企業が多く、主に開発案件をメインで請け負っています。細かい規定の中で開発を行うため、比較的自由度が低いです。

しかし、大手SIerの下請けではない案件だと提案の幅が広くなり、自由度の高い開発ができます。要件定義から開発までの一連の流れを経験することで、システム開発者としてのスキルを磨いていけます。

年功序列ではなく成果主義の企業が多いため、スキルを高めてどんどん昇進していきたい人にはおすすめのSIerです。

4. 外資系

外資系は、海外IT企業の日本法人がサービスを展開しているSIerです。

日本Microsoftやアクセンチュア、日本IBMなどが有名です。

本国で展開しているサービスの日本での展開やシステム開発、コンサルティングがメイン業務となります。成果主義の傾向が他のSIerよりも強く、能力が高ければ早い段階で高収入を狙っていけるのが特徴です。

開発の下流工程であれば高い英語力は求められませんが、昇進を狙っているなら英語の習得は必須と考えた方がよいです。

SIerについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【IT転職】SIerとは?種類や仕事内容について元SIerの僕が徹底解説! | やまもとりゅうけん公式ブログ (ryukke.com)

SIer平均年収ランキングTOP30

各社の有価証券報告書を基に、平均年収が高いSIerをランキング形式にしてみました。年収は年齢や実績によって変わるものではありますが、転職先を検討する際の参考にしてみてください。

上位5社はいずれも平均年収が1,000万円を超えています!
順位 企業名 平均年収
(千円)
従業員数
(人)
平均年齢
(歳)
1 野村総合研究所 12,716 7,206 40.2
2 電通総研 11,337 2,039 40.6
3 三菱総合研究所 11,038 1,150 41.7
4 オービック 10,780 1,898 36.1
5 伊藤忠テクノソリューションズ 10,288 4,784 40.7
6 構造計画研究所 9,860 642 41.7
7 富士通 9,654 35,924 43.6
8 大塚商会 9,372 7,713 41.7
9 日立製作所 9,360 28,111 42.9
10 都築電気 9,149 1,239 43.5
11 NTTデータ 9,057 1,702 39.9
12 日鉄ソリューションズ 8,860 3,758 39.9
13 日本電気(NEC) 8,804 22,210 43.3
14 エクサウィザーズ 8,747 275 35.6
15 トヨクモ 8,523 57 32.1
16 BIPROGY 8,503 4,424 46.4
17 ネットワンシステムズ 8,303 2,285 40.1
18 TKC 8,158 2,409 40.2
19 テクマトリックス 8,012 553 38
20 フューチャー 7,969 219 36.1
21 ビジネスエンジニアリング 7,854 537 40.7
22 YE DIGITAL 7,797 525 41.7
23 インフォコム 7,784 640 45.8
24 SCSK 7,642 8,611 43.6
25 エクシオグループ 7,457 3,766 44.2
26 NECネッツエスアイ 7,452 5,225 44.5
27 サイバネットシステム 7,296 335 42.9
28 ブレインパッド 7,267 577 35.2
29 兼松エレクトロニクス 7,225 439 39.8
30 ネクストジェン 7,028 138 46.2
参照:各社の有価証券報告書
転職情報を扱うdodaの調査によると、SIerの平均年収は465万円です。全体平均年収は414万円、IT・通信分野に限っても446万円のため、いずれと比較しても高くなっています。
下表は、全体平均年収とSIerの平均年収を年代別に比較したものです。
年代 全体平均年収
(千円)
SIerの平均年収
(千円)
20代 3,520 3,930
30代 4,470 5,330
40代 5,110 6,630
50代以上 6,070 7,590

参照:doda平均年収ランキング

いずれの年代でも、SIerの平均年収の方が高い結果となりました。また、年齢に比例して年収が上がる傾向が見られます。

平均年収ランキング上位5社

平均的に年収が高いSIerの中でも、特に水準が高い上位5社の特徴について紹介します。

  1. 野村総合研究所
  2. 電通総研
  3. 三菱総合研究所
  4. オービック
  5. 伊藤忠テクノソリューションズ

共通点として、いずれの企業もコンサルティングとSI事業を兼ね備えています。順番に見ていきましょう。

1. 野村総合研究所

野村証券のシステム部門から派生した、金融業界に強いSIerです。コンサルティングと金融・産業分野のITソリューションを強みとしています。

日本国内だけでなくアジア・アメリカ・ヨーロッパにも拠点を置き、海外にも積極的に事業展開しています。

2. 電通総研

広告代理店大手の電通を親会社とするSIerです。2024年1月に電通国際情報サービスから社名変更し、コンサルティングとシンクタンク機能を拡充しました。

金融・製造分野だけでなく、バックオフィス業務を支援する「ビジネスソリューション」や、行政機関の手続きのデジタル化を支援する「コミュニケーションIT」が強みです。

3. 三菱総合研究所

コンサルティングとITサービスを提供する三菱グループのSIerです。金融機関や官公庁のDX化支援を強みとしながら、幅広い領域にサービス展開しています。

近年発展しているAI分野のコンサルティングにも力を入れており、例えば情報収集を自動化する「ロボリサ」をリリースしています。

4. オービック

他の4社と異なり、特定の親会社を持たない独立系SIerです。コンサルティングからシステム導入後のサポートまで、すべてを自社で行う「ワンストップ・ソリューション」を強みとしています。

また、親会社がいないため、特定のメーカーの製品しか使用できないといった制約がありません。

1995年から営業最高益を更新し続けているほか、営業利益率は60%を超えています。魅力的な企業ですが、残念ながら新卒しか採用していません。

5. 伊藤忠テクノソリューションズ

伊藤忠商事を親会社とするSIerです。創業当初からアメリカに研究開発拠点を置き、AIやIoTなどの先端技術調査や大規模インフラ基盤の構築に力を入れています。

他にもシンガポールとマレーシアでの売上規模はトップクラスで、積極的にグローバル展開を図っているのが特徴です。携帯キャリア向けのサービスを強みとしながらも、一般企業や官公庁のサポートも行っています。

SIerを選ぶ際の4つのポイント

平均年収の高いSIerに転職したいと多くの方が感じているところだと思います。しかし、年収だけでSIerを選んだ転職は失敗する可能性が高いです。

想像していた働き方とのギャップを感じて後悔するからです。
転職先のSIerを選ぶときは、次の4点を意識しましょう。
  1. 経営が安定しているか
  2. 独自の強みを持っているか
  3. 携わりたい開発工程を扱っているか
  4. 社風が合いそうか

キャリアプランを見据えた選択がポイントです。順番に解説していきます。

1. 経営が安定しているか

案件を安定的に受注していて、資産に余裕のあるSIerを選びましょう。大規模案件にかかわる機会も多く、業務の中でスキルやノウハウを学んでいけるからです。

強力な親会社を持つユーザー系やメーカー系は、比較的経営が安定しています。

経営状況を調べるには、四季報を使って企業のデータを分析する方法があります。売上高や営業利益が大きく下がっていないか確認しましょう。

経営が安定しているSIerは新人の育成にも力を入れている傾向があるため、未経験で転職を考えている人に特におすすめです。しかし、転職市場で人気の高い企業でもあるため、まったくスキルのない状態では厳しい状況が予想されます。

そもそもプログラミングスキルが身についていなければ、転職に成功しても仕事が回らなくなる可能性があります。詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

SIerでプログラミングできない人が詰むって本当!?今からできる対策とは | やまもとりゅうけん公式ブログ (ryukke.com)

また、転職する際はキャリアプランの形成も重要です。「どこでもいいから転職したい」という姿勢では、現状は打破できません。

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2. 独自の強みを持っているか

複数の業界とコネクションがある、市場は小さくても需要のある分野に対応できる技術を持っているといった、独自の強みを持つSIerを選びましょう。

SIerとしての強みがなければ、他の企業に代替される可能性があるからです。

例えば、大手SIerの下請け案件しか受注していないSIerは少し不安ですね。

強みを探すときには、四季報のデータが活用できます。売上や営業利益からは、次のような予測が立てられます。

  • 売上が大きい:大規模案件を受注していそう
  • 営業利益が大きい:好待遇で働けそう
  • 営業利益率が高い:付加価値の高い仕事ができそう

特に、営業利益率の高い企業は他社に負けない商品やサービスを展開している可能性が高いです。情報収集の際は企業のHPや採用情報だけでなく、四季報も積極的に活用しましょう。

3. 携わりたい開発工程を扱っているか

携わりたい工程を基に、SIerを選びましょう。IT業界は多重下請け構造のため、元請けと3次請け・4次請けでは業務が異なります。

システム開発は、以下のように工程が分かれています。

  • 業務分析
  • 要件定義
  • 設計
  • 開発
  • 運用

開発の上流工程に携わりたいなら、元請け企業を狙いましょう。

SIerの種類で言えば、外資系は上流工程を担うことが多いです。設計や開発など、現場で技術を活かしたいなら独立系やメーカー系がおすすめです。

携わる開発工程によって求められるスキルは異なります。

「企画やコンサルを通じてマネジメントスキルを身につけたい」「開発でプログラミングスキルを磨いていきたい」など、理想の働き方を明確にした上でSIerを選択しましょう

4. 社風が合いそうか

沿革や社員数、社風など、転職を希望するSIerについて徹底的に調べましょう。

SIerによって職場の雰囲気や待遇は千差万別です。

例えばベンチャー企業の場合は社長の言葉ひとつで経営方針が変わることもあります。逆に大手SIerだと年功序列の風土の色濃く残っていたり、ポスト争いが激しく昇進が難しかったりします。

自分が望む職場環境を明確にしてから、会社HPや求人情報を確認しましょう。

しかし、企業の情報を個人で調べるには限界があります。テックステージの面接対策は、業界を知り尽くしたコーチが企業分析したうえで行うため、情報面でも他の転職希望者に差をつけられます。

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最後にこの記事で紹介してきたことをまとめます。

  • SIerはシステム開発や運用を通じて他社の課題解決をサポートする
  • SIerの平均年収は全業種の平均年収よりも高め
  • ランキング上位企業の年収は1,000万円を超える

年収の高い企業は当然人気が高く、プログラミングスキルの習得は転職の必須条件です。また、キャリアプランを明確にし、転職のミスマッチを防ぐことも重要です。

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