僕は現在フリーランスエンジニアとして活動していますが、システムエンジニア、とくにサーバやネットワークを担当するインフラエンジニアの仕事の大半はシステムを冗長化することと言っても過言ではないと思います。そしてこれが大変骨が折れる。
IT業界で言う、「冗長化」とは主に、「システムの予備をつくっておいて、メイン機器に障害が発生しても自動的に予備システムの方からサービスを配信するように切り替える仕組み」と言えばわかりやすいのかもしれない。つまり、もしもの時のためにリスクヘッジしておこうねという考え方のもとに行われるもの。
さて、システムエンジニアにとって、障害発生は悪夢のようなものです。
障害が起こると夜中でも会社携帯で呼び起こされるわ、障害内容によっては始末書書かされるわ、それはもうこっぴどく怒られるので必死。障害が起きないように起きないように綿密にシステムを設計して、何度も何度も検証を重ね、レビューで上長のお墨付きをもらった上で、GOする。
障害が起きた時のことを想定し、自らの魂を削りながらシステムを冗長化していくことこそがエンジニアの使命なのですが、ここで一つ疑問。
そもそも、自分の人生は冗長化してますか?ということ。
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エンジニアが病みすぎてる件
エンジニアはみなさんご存知の通り、最もメンタルを消費しやすい職種です。とにかくプレッシャーがハンパないです。常に納期に追われてるわけですから。つまりうつになりやすい職種と言えます。こちらの図をみてください。
実に、情報通信業では、業界で73%以上もの企業がメンヘラを抱えているということです。実際、もっといると思うけど。
僕が新卒で入社した会社にもうつ病患者はたくさんいました。
新入社員研修では明るく和気あいあいと振る舞い、ど素人の僕たちに C# や Javascript など、プログラミングを懇切丁寧に教えてくれていた1年上の先輩が、半年後、うつ病になって会社にこなくなり、気づけば退職していたことを知った時、「あ、ここは地獄なんだな。」と悟りました。笑
そんな労働環境にあって、エンジニアはいつ自分が働けなくなるかもわからないのに、その会社から毎月死なない程度の給料だけもらって生活するって相当危なくないですか?
普通に考えたらわかることだと思うんだけど、なぜか誰もそこに疑問を持たないんですよ。「この業界はそんなもん」とか言って、そのリスクからみんなが目を背けてます。
また、エンジニアは指でも怪我したら業務効率相当落ちますからね。課外スポーツで指とか骨折したらどうでしょう。片手でコーディング。仕事になりません笑
だからまず自分の人生を冗長化しろということなんです。鬱になっても、怪我しても、それでも安心して食ってけるような状況をまず自分でつくっておけばいい。エンジニアはそんな考え方を少しでも持ってれば、相当幸せになれるのになといつも思います。
僕も技術者だけど、エンジニアはシステム構成を冗長化する前に自分の人生冗長化した方がいいんじゃないかな。
クビになったらどうするかとか、怪我したらどうするかとか、働きすぎて鬱になったらどうするかとか。
— やまもとりゅうけん (@ryukke) 2015年7月14日
解決策1 フリーランスになること
まさに無限地獄とも言えるシステムエンジニアという職業にも、人生を冗長化させる手段はあります。一つは、フリーランスに転身することです。
フリーランスになれば選べる仕事の幅が圧倒的に増えます。その選択肢の多さが冗長性を生みます。
自分がやりたいと思った技術案件を、自分がやりたいと思ったタイミングで、自分が希望する報酬額で請けるという働き方にシフトチェンジする。僕もこの働き方をチョイスしていますが、ものすごく気持ちが楽です。さらに以下のようなメリットがあります。
1 上司がいない
2 責任が限定的
3 稼げる
1 上司がいない
フリーランスになると会社対個人の取引になるので、そこのプロパー社員と立場的に完全に対等になるということです。なので、偉そうなことは言われる筋合いが一切ありません。エンジニアに限らず、大体のあなたの職場での悩みって上司に関するものなわけです。なので、その上司が存在しない、という環境は非常に居心地良く感じられることだと思います。特に、フリーランスになりたてだと顕著にそう思うでしょう。
2 責任が限定的
フリーランスは良い意味で部外者なので、会社に対するコミットを求められる度合いが低いため、ある意味飄々としていられるということです。ほとんどの場合電話対応もしないし、キックオフミーティングみたいな、そもそも正社員だとしても参加する意味がよくわからないものにも当然出る必要ありません。
3 稼げる
最大のメリットですね。フリーランスになると、サラリーマンエンジニアの頃と比べると収入が数倍になります。人間はゲンキンな生き物なので、単純に多く稼げば心に余裕ができます。また、エンジニア不足の今、案件数はとても豊富ですし、継続的に案件に参画し続けることは造作もありません。この選択肢の多さは心に余裕をもたらせてくれます。
いきなりフリーランスは不安という方は、案件を紹介してくれるエージェント企業と面談し、自分の市場価値を確認してみると良いでしょう。いますぐ独立するつもりはなくても、自分と同等のスキルを持つフリーランスエンジニアがどれくらいの報酬を得ているかや、どのような企業に参画しているのかを知ることは非常に価値があります。最近は、エージェント企業も乱立しているのですが、以下の2つに登録しておけば問題はありません。
これらのエージェント企業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
解決策2 複数の収入源をもつこと
たとえば、副業収入が月に30万でもあったら、いつでも会社を辞められる権利が手に入るわけでしょ。
そしたら、会社の人間関係で悩むことも、鬱になることもなくなる。辞めれば解決するから。
大抵の20代の悩みなんて、そんな感じでお金で解決する。
みんなそれに目を背けてるだけ。
— やまもとりゅうけん (@ryukke) 2016年2月14日
複数の収入源を持つことこそ、まさに人生の冗長化です。仮に、副業収入で毎月たった30万円ほどでもあったとしたら、あなたの悩みのほとんどは吹き飛ぶと思いませんか。
なぜ仕事で悩むのか、それはその仕事をやらざるを得ない状況にいるからです。辞めたら食っていけないという強制性が精神を蝕みます。どんなに会社に理不尽なことを要求されても、辞めることができないから耐えなければいけない。そんながんじがらめの人生だったらそれは誰でも当然病みます。
逆に言えば、その仕事を辞めても充分食べていけるだけの経済力を持っていたとしたら、病みようがありません。副業収入で毎月30万円程度あれば「会社で働くのが嫌だったらいつでも辞められる」という権利が手に入るわけですから。鬱になる前に辞めればいいんです。辞めても食ってけるわけだから。
で、副業収入で30万円なんて正直そこまで難しいことではありません。ブログでもある程度の作業量を確保できれば毎月4〜5万円の自動的な収入をつくることは可能です。そういった収入源を複数持てばいいだけの話なのです。
さいごに:エンジニアの理想の生き方とは?
どれだけ頑張っても、エンジニアとして50代60代になっても最前線で活躍することはできません。現にそんな人いないし。
だったら、いまのうちにフリーランスとして大きく稼ぎながら、ブログなど、その他スモールビジネスに収入源を分散し、人生を冗長化するという生き方が僕はエンジニアの生き方として最も合理的だと思っています。